特别采访七月番《莉可丽丝》 锦木千束声优安济知佳与井上泷奈声优若山诗音|“我们成功将配音过程的愉快氛围带入到作品中”
原创TV动漫《莉可丽丝》于2022年7月2日开始播出。主要工作人员包括监督·足立慎吾(代表作《刀剑神域》)、故事原案·朝浦(代表作《便·当》)、角色设计·伊右群(代表作《这个美术社大有问题》)、制作·A-1 Pictures(代表作《辉夜大小姐想让我告白》)。当观众们看到这样豪华的阵容,想必会对故事内容感到好奇兴奋吧。
(相关资料图)
animate Times以作品诞生的过程以及声优们对配音角色的感受为中心,在动漫正式播出前登出对《莉可丽丝》工作人员们的系列采访报道(共4篇)。在这最后一篇(第4篇)中,锦木千束的声优安济知佳与井上泷奈的声优若山诗音将围绕即将正式播出的《莉可丽丝》谈谈自己的看法。
重视声优交流的配音过程中那些让人印象深刻的回忆
——因为《莉可丽丝》是原创作品,(不同于改编作品拥有相当完备的世界观与人物设定)所以两位在看到制作刚开始的初期资料时有什么感受吗?
安济知佳(下称“安济”):当我第一次阅读《莉可丽丝》的相关资料时,我就感受到工作人员对于这个故事的推敲是相当严谨的。在那份资料中,我能明确地感受到工作人员们想要通过这个动漫传达些什么,而这和我那段时间想要做的事情完全一致。因此,我对这部动漫想表达的主题产生了共鸣,想着“一定要为它做些什么!”。
但是当时推给我的试镜角色只有千束和泷奈,读完剧本和相关资料后我就觉得我可能很难通过选拔。不过,虽然成功选到两个角色之一的可能性很低,但我还是很努力地录音,参加选拔。因为我觉得就算选不上主角,参加选拔的话或许也能配其他角色,像这样参与到这部动漫中的话也挺好。不过最后收到的,却是我通过了工作室选拔的好消息。
因为我以前配过像泷奈那样固执又认真,在周围人看来很冷漠但实际上很热情的女孩子,所以刚收到消息说通过选拔的时候我就想应该是去给泷奈配音吧,结果被告知是配千束的时候我自己也很惊讶hhhh(笑)。
——自己都没想到会被选为千束的声优呢。
安济:工作室选拔是以两人一组对话的形式,在跟我一组的那孩子对话时,我才第一次理解了千束的感觉,当场我都想“哇~”地叫出来宣泄一下。所以说我能够选上千束的配音真的要感谢那位跟我演对手戏的孩子。我认为千束给人的氛围如果不和谁尝试一下对手戏是没有办法塑造出来的。
因此当我听说我顺利选上的时候真的很开心,有一次我在其他工作室遇到诗音,她过来跟我打招呼说“请多多指教。”的时候我一下子就想到千束的台词“诶?你就是我接下来的搭档?好耶!”。我可以给千束配音而我的搭档又是诗音,真可以说是双喜临门呢。
若山诗音(下称“若山”):我也很开心。
——那若山刚看到资料时感觉如何?
若山:读到资料时,我发现这个故事的世界观和我们现在的生活有部分是相通的,这样的设定深深吸引住了我。以前我一直想当然地以为日本的治安这么好是因为日本人的素质整体比较高,我从来没有想过其实日本的治安很差,是因为有这么一群“莉可丽丝”的活跃才使它呈现出一种和谐的表象。这样的一个假设真的深深刺激到了我。
而且那些“莉可丽丝“们还是穿着女高中生的制服混迹在人群里,当时我就想我一定要参与到这部既有意思又让人惊叹的作品中。
我只参加了泷奈的声优选拔,因为我觉得我和泷奈这个角色很像。可能我给人感觉是那种平时很冷静,甚至有点冷酷的,但其实我自己完全没意识到这一点,也不觉得自己是这样的人。
所以在工作室参加选拔的时候我把精力集中到对话内容上。那时扮演泷奈的我和扮演千束的另一个人互相吐槽、对话,都想着好好扮演角色。现在想来那时候的我并不是被设定好的角色的整体形象牵着走而是自己在感受角色。
安济:我记得在选拔用的资料上也写着“请重视对话的形式与内容”。而且线下去工作室选拔的通知是在紧急事态宣言发布以后才来的,我当时就想“看来制作方是无论如何都想直接确认声优们对话时的情形呢”。
若山:在当时的疫情形势下还坚持通过比较声优们对话的氛围来进行选拔的工作室是非常少见的。所以我觉得能通过这样的方式在他们的选拔中脱颖而出真的很开心!
——顺带一提,当时扮演泷奈的感觉如何?
若山:老实说完全不明白呢,因为泷奈的感觉不是很容易理解。但是,我认为自己已经尽全力参与到选拔中去了,所以选拔结束后我其实没有什么心理压力(笑)。
安济:感觉就像自己已经很努力了,接下来就只能祈祷了~
若山:所以通过选拔的时候真的超开心!我本来就很想在这样的世界观中体验泷奈的人生,很想参与到这个世界中去,现在被通知“可以参加”肯定会开心的啦!
因为我收到合格消息时对方还说“您的搭档是安济哦。”,所以在问过经纪人“我能通知安济吗?”后就把这个好消息告诉了她。(笑)
安济:是这样的(笑)那会儿我的经纪人刚入职不久,当他突然战战兢兢地问我“可以打电话吗?“的时候,我还在想我是不是闯祸了。然而那通电话却是来通知我“接到了《莉可丽丝》千束的角色。”。我那会儿当然很高兴,但又有点担心经纪人的状况,毕竟这肯定是好消息但他这语气让人感觉是什么坏消息,有点怪的。可能因为这样那样的感情太丰富了,我那会儿就听漏了我的搭档是谁hhh(笑)。
——当听说您的搭档是安济的时候觉得怎么样?
若山:感觉安济是一个非常自由的人。和她对话的时候感觉内容很灵活(?),对话内容可以朝各个方向变化。安济给人一种随时可能让人大吃一惊的形象,而我又非常喜欢这样的感觉,所以能够和她一起搭档真的很开心。
安济:我也很开心。以前和诗音一起参与的企划里感觉好像是一队五人分组吧。我和她虽然是同一队但不是同一组。所以我和她对话的时间要比看她对话的时间短得多。因为那一次的工作室也很强调声优间的对话,所以这一次我很期待跟她两个人的对话练习。
泷奈她有热情但又一根筋,所以在周围人看来就有点冷酷,甚至让人觉得她有点自私。而诗音可以很自然地表现出泷奈给人的感觉。刚才诗音也说自己觉得泷奈跟她很搭,从旁人看来也是一样的,所以我很期待和她的共事。
下一页:千束战斗方式的看点,必杀技?!
——足立慎吾监督是个怎样的人呢?
安济:是个愉悦的人!(笑)一开始接受选拔时我还不知道足立先生原来是第一次担任监督,所以我为能在制作组那样的起步阶段就参与到《莉可丽丝》的整体制作中感到非常开心。而且他本身很擅长作画,所以才能把把给我们的指示(如果有必要的话)先画出来,我们也在这一过程中清晰地感受到他是这部动漫的监督而不是美工。虽然这么说,其实我们整体还是比较自由的,而且很愉快(笑)。我们工作时从来没有过那种紧张的氛围。足立监督也好,担任音响监督的吉田光平也好都给人一种像是置身在莉可莉丝咖啡店的和谐感。
若山:我一开始觉得足立监督在这部作品上寄托了很多感情。当时我记得他提到某些画面时说“当我想出这个画面的时候都怀疑它是不是太热血了hh。”。所以,作为参与者我就想必须要回应监督的这份热情。
安济:虽说让我们自由发挥,不过倒也不是完全的随心所欲,毕竟这样的话会导致整个世界观崩塌嘛。所以工作场所的氛围是那种有什么想法就及时沟通,尽可能协商协调的感觉。大家都基于同一个世界观,在被允许的范围内自由发挥。这种感觉就像是大家在既定的条件下寻找工作的最优解。另外,我个人觉得剧本的辅助插画很有意思,跟我的品味很合(笑)。
若山:确实很有趣。
——足立监督会亲自写脚本吗?
安济:他是那种自己会不断推敲自己的构思,但同时也很善于变通的人!听取我们的一些想法时会给出贴切的评价,有时也会表扬“这个想法很不错诶”。我们能感觉到他很想吸收其他人想法的优点并加入到莉可丽丝的世界中去,而工作人员们也会被他的热情带动起来,所以现场整体的工作热情非常高。
——您刚刚也提到了随心所欲,确实千束的台词非常的自由,想来这样的台词很难对上画面吧。
安济:第一集中,千束在莉可莉可见到泷奈的时候说了句“欢迎来到莉可莉可”吧,其实那一段的剧本上只写了这么一句台词,但是我在录音的时候突然就很想笑。虽然最后完成的录音跟剧本不是很合(因为有我的笑声),但当我看到动漫里这一幕千束真的是笑着说的的时候真的很开心,很感谢制作组对这一幕的再调整,也为让他们增加了工作量感到抱歉hhh(笑)。我个人是比较看重配音角色周围的氛围和自己的感觉的,而绘画组的工作人员们会为了我的感觉而做出很多更改,真的很感谢他们。
——制作组的工作人员们一定也对画面变更的范围有个草案的吧。
安济:是的吧。我们配音的时间条也不是固定的,其中有些配音的时间段就算超出去也没关系,有些配音则让我们在提示条出现前就开始配。
——这也是因为制作组很重视千束和泷奈的对话表现吧。
若山:当时工作人员跟我们说“有些部分在动漫里声音会重叠起来,我们录音的时候也请两位同时配音。”。(*一般来说,虽然动漫中有角色说的话时间上会有重叠,但在录音阶段是由声优分开录音,不会一起录制。)
安济:第三集千束跟泷奈的对话也是这个感觉。其实在录制过程中,制作组经常会说“这一段,请你们激情地一起录制,声音重叠起来也没关系,请把她们句子中蕴含感情的温度原原本本地表现出来!(喜)”。
若山:是这样的。虽然和一般的情形不太一样,但因为很有趣,而且每一集里都有我喜欢的场面,所以我觉得问题不大!对于先行上映会上播出的前三集,我个人觉得内容根本不够,我真的很想看接下来的故事。
安济:参加过先行上映会的观众们一定也很想看后续吧。
——两位看完先行放映的内容后感觉如何?
安济:总之就是非常可爱!动漫里人物的动作真的跟角色设计一模一样!如此顺滑的动作镜头超让人感动!表情那么丰富的角色真的让人觉得很厉害,太感动了!
——感觉千束的台词是不是有点多?
安济:是吗…?
若山:诶?你真的没感觉到吗?台词本里面连着好几页都是千束的台词哦。
安济:(一边翻着剧本一边说)确实诶…。不过,千束一直在跟别人对话吧,感觉其实没有太多台词。
若山:千束可是从登场开始就不停地在说话哟(笑)。
安济:啊哈哈哈(笑)。可能是吧。另外,在动作镜头设计中,因为千束是超强的莉可丽丝,那些让一般人感到紧张害怕的事对千束来说不过是小菜一碟,所以为了表现她的强大和轻松,我们在制作这些镜头时也花了很多心思。比如战斗中的其他人都是“哈、哈、哈”地大喘气的时候,千束则是发出“哟!”、嚯!”的声音,让人一下就感受到千束是在享受这个过程。当我在动漫里看到这样的场景时,我就觉得千束看起来真的好厉害(笑)。在流畅的打斗中加入千束享受这一过程的声音让人能清晰地感受到千束的那份游刃有余,真的很让人感动。
——动漫里面的角色塑造必须有画面和声音两个部分,而配音演员在配音时想像的画面能跟正式版的动漫一模一样一定很开心吧。
安济:不哦,不如说有很多画面比我想象的场景还要出色,真的非常感谢制作团队的努力。
——您觉得泷奈这个角色怎么样?
安济:泷奈超可爱的!外边很冷漠,而且因为她只会采取自己认为合理的行动,所以和她一个团队的人可能会觉得她是那种带刺的性格,并且她很容易产生消极的情绪。不过搭配上小诗音的配音表演泷奈一下就可爱起来了!她那种很笨拙但又一点一点向着自己的目标前进的样子让人很想为她加油鼓劲。除此之外,那两人的日常穿着也超可爱!
——作为泷奈的配音,若山您觉得怎么样?
若山:我的第一印象是她的头发。泷奈的头发是那种高亮的,但在高亮中又加入了像黄色又像茶色的颜色,让人觉得她非常漂亮。
安济:这一点超戳人的(笑)。
若山:制作第一集的时候,虽然人物的基本设定已经定了,但在制作过程中依旧是一边按照制作组的要求一边按自身的感觉来调整,共同制作出泷奈这个角色。不过重新看过第一集之后,我才清晰地感受到泷奈原来是这样的感觉、在周围人看来是这样的人。
在别人看来可能有些冷漠,但这绝不是因为她没有作为一个人该有的感情。正相反,因为她很像一个活生生的人,才会采取那样的行动,而我也很喜欢她的这一点。录音工作结束到真正看到动漫之间有相当长的一段时间,所以我能够用一种第三方的视角来看待泷奈,觉得她是一个非常可爱的孩子,希望她能够坚持自我,继续努力下去。
千束则是一个很能给人幸福感的人,是一个很好的孩子。我觉得一般来说人们会为了自己的事竭尽所能,但千束则是会为了他人的幸福而不断努力。对于泷奈来说,千束是救世主般的存在,是为她开拓了新道路的人。可能有点像圣母?感觉千束像圣母般有这宽广胸怀的姐姐。
安济:嘛~毕竟是超级莉可丽丝嘛~(害羞)。
就算不被要求多看几遍也会自己无数遍看的作品
——配音结束后,两位对彼此的印象有什么变化吗?
安济:没有什么变化吧。你觉得我的印象变了吗?
若山:没有吧,只觉得我们变得亲密了。
安济:确实确实,两个人的羁绊加深了。
若山:不过,我还想和你变得更亲密。虽然我一直会下意识地依赖你,但真的很想和姐姐一样的安济在一起。
安济:在配音中看到你那么努力,我也时刻提醒自己牢记初心,不断奋进,自说自话地调整自己的感情。不过配音的过程真的很开心哦。因为我去工作现场的时候每次都想着“又能见到你了”。然后就靠这样的气势完成我们俩的工作、加深我们的羁绊,让作品中角色的对话也变得充满活力。
——在作品中有对手戏的时候,你们会在事前商量一下“这一部分要怎么办”吗?
安济:我是不怎么做准备一切顺着感觉走的类型。练习的时候也是打算尽自己所能然后听天由命。(笑)
若山:跟我之前担任过的角色相比,泷奈的很多句子都被要求在很短的时间内说完,所以时常会出现我没能在规定的时间内说完台词的情况。在和安济见面之前我一直在思考要怎么解决这个问题。但是现实中和安济一接触,感受到她的这一份自由,我也变得像她一样自由地去完成工作。所以我一直觉得我是被她带着前进的那一个。
——正式上场的时候有出现过和练习的时候完全不同的情况吗?
安济:我觉得没有吧。
若山:不过我觉得是有过的哦~
安济:骗人的吧!我只记得我们练习的时候你说“让我们再练练吧。”,然后我说“好哇!”(笑)。
——你们有时会在工作的间隙聊聊天吗?
安济:会哦。我们练习完后,有时制作人员们都在沉思,那么我们就会趁这个间隙聊聊天。毕竟是原创作品,所以我们经常会聊一些对剧情走向的猜测。
若山:我每一集的剧本都很喜欢,所以会在标记我的台词前先通读一遍剧本。
安济:确实。我也会把剧本当做小说一样先读一遍。
——而且,舞台是咖啡店的话不管发生什么都让人感觉很有趣呢。
安济:好想开一间联动咖啡店啊。
——我很喜欢动漫里出现的那一款丸子,就是放在像试管一样容器里的那个。
安济:我也很想吃那个!虽然在先行片里看到那个的第一反应是“诶?那个是团子?”(笑)。不过动漫里也会出现很糟糕的甜点哦(笑)。
若山:是的呢。不过我很希望那个能流行起来!!(笑)联动咖啡店也挺好,像是期间限定的莉可莉可咖啡店也不错。要是能实现的话我一定会去店里玩的。
——那么最后,请为那些期待正式播出的观众们留下点信息吧。
若山:《莉可丽丝》从第一集开始一直到最后一集,集集都超好看,只要看了第一集就一定会喜欢上它的!从泷奈的角度来看,希望大家能关注我(泷奈)因为千束而发生的一系列转变。绝对要来看哦~
——要说泷奈的变化,那第三集一定是看点了吧。
安济:第三集真的很棒!我配音的时候对那一集千束的台词深有同感。我作为千束的配音,首先是因为对这部作品想传达给观众的东西而感到感动,很想借千束之口把它传达给观众,而第三集就是实现了我愿望的一集。这部作品汇聚了许多人的热情和爱情,如果观众们能感受到的话那就太好了。
每个人的人生各不相同,并且每个人的人生都有时间的限制,所以我们需要让那有限的人生变得丰富起来。我们并不提倡牺牲自己想做的事情而被迫去做一些不得不做的事情,而是希望人们能够兼顾双方,丰富自己的人生。我认为如果观众们能在看过这部作品后对我刚刚所说的话有更深的理解,那这部作品就实现了它自身的价值。
当然,我觉得在观看这部作品时也可以单纯享受它日常的对话和非日常的打斗场景,不如说这部作品中有很多值得品味的地方,即使我没有强求大家多看几遍,相信大家也会自发地刷很多次吧。希望能和大家一起享受整部动漫!
夏アニメ『リコリス・リコイル』錦木千束役 安済知佳さん×井ノ上たきな役 若山詩音さん スペシャル対談|楽しかったアフレコのノリをそのまま詰め込むことができた。【連載 第4回】
2022年7月2日より放送がスタートするオリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』。監督・足立慎吾さん(代表作『ソードアート・オンライン』)×ストーリー原案・アサウラさん(代表作『ベン・トー』)×キャラクターデザイン・いみぎむるさん(代表作『この美術部には問題がある!』)×制作・A-1 Pictures(代表作『かぐや様は告らせたい』)という、スタッフ陣を見るだけで、どんな物語が展開されるのか、ワクワクしていることだろう。
アニメイトタイムズでは、作品誕生の経緯や声優陣の演じるキャラクターに対する想いに迫る放送開始直前の連載インタビュー(全4回)を実施中。最後となる第4回は、錦木千束役 安済知佳さんと井ノ上たきな役 若山詩音さんが放送目前にして『リコリス・リコイル』を語りまくる!
掛け合いを重視したというアフレコでの思い出は?――『リコリス・リコイル』はオリジナル作品となりますが、資料を見たときにどんなことを感じましたか?
安済知佳さん(以下、安済):初めて資料を見た時から、綿密に練られたものであることは見てわかったんです。その資料には、アニメを通してどんなことを伝えたいのかというテーマが書かれていたんですけど、それが、ちょうど私がその時期に考えていたことでもあったんです。とにかくそれに共感したので、その思いを何かの役で伝えたい!と思いました。
ただオーディションで来た役が千束とたきなで、台本と資料を読んだ限りでは、自分が演じられる気がしなかったんです。この2人で受かる可能性は低いだろうけど一生懸命やって、別役でこの世界に入れたら嬉しいなという気持ちでテープを提出したんです。そしたらスタジオに通りましたと言われて。
個人的にはたきなのような真っすぐで真面目で、周りからクールに見られるけど熱い女の子は演じることがあったので、通るならそっちかなと思っていたら「千束です」と言われて、「千束っっっ!!!」ってなりました(笑)。
――意外なほうが通ったのですね。
安済:スタジオオーディションは掛け合いでのオーディションだったのですが、ご一緒した方のたきなとやったときに、初めて千束というキャラクターがわかった気がして「うわ~~!!」ってなったんですよね。だから本当にその方のおかげと言っても過言ではないですし、会話をしないと出来上がらないキャラクターだったんだなと思います。
そこから受かったと聞いたときは嬉しかったですし、別現場で詩音ちゃんに「お願いします」と言われて、「え? 相棒なの? やったー!」って二重で大喜びしました。
若山詩音さん(以下、若山):嬉しい。
――若山さんはいかがですか?
若山:資料を見たときに、世界観が今とかなり共通する部分があると感じていて、そこにまず惹かれました。治安が良いというのは日本人の意識の高さからなのかなと、何の疑いもなく思っていたところに、実は裏でこういう子たちが活躍しているからではないかという問いかけが組み込まれていることに、すごく刺激を受けたんです。
しかもその子たちが、女子高生の制服を着て世の中に紛れている。そこが面白かったし衝撃的だったので、これは絶対にやりたい!と思いました。
オーディションではたきなだけを受けたんですけど、たきなは、私にとってかなり等身大の子のイメージだったんです。冷静とか、クールに見えるという特徴はあるんですけど、実はそこはあまり意識していなかったかなって。
なのでスタジオオーディションでは、とにかく会話に集中しようと思いました。たきなって子を借りた自分で、千束役の方とぶつかったり、掛け合いをしたりしていたんです。なので、あまり役のイメージに引っ張られすぎないことは意識していたと思います。
安済:オーディション資料には、掛け合いとか会話の心地良さを大事にしたいとも書いてあったんです。スタジオオーディションも緊急事態宣言が明けてからやりますと言われたので、どうしても掛け合いを聞きたいんだ!って思った記憶はすごくあります。
若山:掛け合いをやらせていただけるということが、そのときの状況では珍しいことだったので、オーディションで掛け合いをやらせていただけるなんて嬉しい!って思いました。
――ちなみにたきなの手応えとしては?
若山:正直何もわからなくて、手応えは全然わからなかったです。でも、自分の全てをぶつけてこれたとは思っていました。なので、後味はスッキリっていう(笑)。
安済:あとは祈るだけ!みたいな感じだね。
若山:だから受かったときはめちゃめちゃ嬉しくて! この世界観の中で、たきなの人生を追いたかったですし、関わらせていただきたいと思っちゃっていたので、参加できることがすごく嬉しかったです。
受かったときに「お相手は安済さんですよ」と聞いていたので、ちゃんとマネージャーさんに「安済さんに言ってもいいですか?」と確認してから、伝えました(笑)。
安済:そうだったんだ(笑)。私は当時新人だったマネージャーが恐る恐る「電話していいですか?」って連絡してきて、何かやらかしたのかな?って思っていたら、すごく緊張しながら「『リコリス・リコイル』受かりました」って言ってきて。「え? いい話だけど、何そのテンション?」みたいな感じだったから、嬉しい気持ちと、マネージャー大丈夫ですか?って感情で、相手役を聞きそびれていたんですよね(笑)。
――相手役が安済さんと聞いたときは、どう思ったのですか?
若山:安済さんは本当に変幻自在で、会話が柔らかいというか、どんな形にでもなれるんですよ。びっくりするような弾をいっぱい投げてくださるイメージがあったし、そこがすごくすごく好きだったので、一緒にやらせていただけることが嬉しかったです。
安済:嬉しい。前に詩音ちゃんと共演したときは5人のチームみたいな感じだったんだよね。そこでは同じチームだけどグループは分かれていて、どちらかと言うと、掛け合いをしているのを見ていることのほうが多かったんです。その作品も掛け合いを大事にしている現場だったので、今回2人でたくさん掛け合うことができるのが本当に楽しみで。
たきなって、熱いものがあって真っすぐで、でも周りから見るとクールに見えたり、自分よがりに見えてしまう。それをあざとくなく表現できる。さっき等身大と言っていましたけど、それができる人だと思っていたので、めちゃめちゃ楽しみでした。
<次ページ:千束の戦い方で見てもらいたいところは、とどめ!?>
千束の戦い方で見てもらいたいところは、とどめ!?――足立慎吾監督は、どんな方でしたか?
安済:愉快な方でしたね(笑)。監督が初めてだったというのはオーディションのときは存じ上げていなかったんですけど、そんな大事なタイミングで作品に携わることができて嬉しく思いましたし、絵を描かれる方だからこそ、私たちへのディレクションも、絵コンテを見せながら、監督のイメージを明確にわかりやすく伝えてくださったんです。それでいて自由にやらせてくれる。そして愉快(笑)。ピリッとした空気には1ミリもならなかったです。それは足立さんも音響監督の吉田光平さんもそうでした。和やかで、リコリコの喫茶店の雰囲気のままでした。
若山:この作品に掛ける思いがすごくあるんだなというのは最初から思っていて、「熱が出るんじゃないかっていうくらい、このシーンは考えたんです」とおっしゃっていたときもあるんです。なので、その思いにしっかり応えていかなければいけないなって思いました。
安済:自由にさせていただけるからといって本当に自由奔放にやるのかと言われると、それは違っていて、この世界を壊しちゃうことにならないよう、ちゃんとコミュニケーションを取っていたし、しっかり話し合いができる現場だったんです。みんなが世界観を共有していて、許される範囲での自由があったというか。この世界の中での最適解を探すみたいなことができる現場だったんですよね。あと個人的には、ト書きのセンスが面白くて、趣味が合うなぁと思っていました(笑)。
若山:面白かったですね。
――監督が脚本を書かれていたりしますからね。
安済:それだけ構想を練ってきているのに柔軟性もあるんですよ! 私たちの妄想を聞いて「それ、良いですね!」とか言ってくれるんです。何でも取り入れて肉付けしたいみたいな意欲を感じて、私たちもそれに応えよう!みたいな感じで、お互い高め合う現場でした。
――自由奔放と言っていましたが、この弾むような千束のセリフに絵を合わせるのも大変だろうなって思いました。
安済:第1話の「リコリコへようこそ」のところは、台本にはそれしか書いていないんですけど、最後に笑いたくなっちゃったんですよね。そしたら絵がちゃんと笑っていて「ありがとうございます!」って気持ちと「すみません!」っていう気持ちになりました(笑)。流れとか、自分の気持ちを大事にした結果なんですけど、絵を描く方が、いろいろとやってくださったんだなぁって思います。
――きっと動きでどこまでできるかのイメージができているから、というのもあるんでしょうね。
安済:そうですね。ボールドもガチガチに固まっていなくて、このカットはこぼれていいですとか、前から出ていいですと言っていただけて。
――そこも掛け合いを重視していたことに繋がりますね。
若山:かぶっちゃったりするところも一緒にやっていいと言ってくださったりするんです。(※通常アフレコでセリフがかぶるときは、別々に分けて収録する)
安済:第3話での2人の掛け合いもそうだったし、「ここ、バリバリかぶってるし、バリバリぶつかり合っているけど、その熱量をそのままやっていいんですか!(喜)」っていうシーンも、この先で何度か出てきます。
若山:そうでしたね。でも、全部面白いから、毎話気になるシーンがあるんですよ。先行上映会の3話だけでは足りず、それ以降が早く見たいんだ!!って感じになると思います。
安済:先行上映に来てくれた方は、絶対にもっと見たいと思ってくれているはず。
――お二人は映像を見ていかがでしたか?
安済:とにかくかわいい! 本当にあのキャラクターデザインのまま動くんですね!っていう感動がありました。なめらかなアクション! 表情豊かなキャラクター! すごかったです。感動しました。
――千束ってセリフが多くなかったですか?
安済:そんなに……。
若山:え? ホントですか? 何ページにも渡って千束でしたけど……。
安済:(台本をめくりながら)確かにそうだね……。でも、色んな人と話してたから、そんなにしゃべってるとは思わなかった。
若山:登場するとずっとしゃべっていましたよ(笑)。
安済:あははは(笑)。そうかも。あと、アクションシーンに関しては、千束はスーパーリコリスなので、みんな息が切れるところも、千束にとっては大したことないんです。その強さを楽しさで表現したいというディレクションがあって。みんなが「はぁ、はぁ」って息を入れるところも、「よっ」とか「ほいっ」とか、楽しんでいる感じにしたんです。それを映像で見たときに、マジで強そう!って思って(笑)。なめらかなアクションに楽しげな千束の声が入ると、こんなに余裕に見えるのか!って、完成した映像を見て納得と感動がありました。
――アニメは画と声で合わさって、はじめてひとつのキャラクターになりますけど、想像して演じたものに想像した通りの画が付くのは、嬉しいですよね。
安済:いや、何なら想像を軽く超えていて、ありがとうございます!っていうシーンがたくさんありました。
――たきなを見てどう思いましたか?
安済:たきなはめちゃめちゃかわいい!! クールに見えるし、自分が思ったことを合理的にこなしていくから、行動を共にする人は、そこにトゲを感じたり、ネガティブな感情を抱きやすいと思うんですけど、詩音ちゃんのお芝居も相まって、愛らしいんですよ! 不器用に自分の目的に向かっていく姿が応援したくなるんです。
あと、2人の私服もめちゃめちゃかわいい!
――若山さんから見た、たきなはどうでしたか?
若山:たきなの髪の毛のハイライトに、黄色と茶色の間みたいな色が入ってて、それがすごくきれいだなっていうのが第一印象でした。
安済:めちゃめちゃピンポイントだね(笑)。
若山:1話のときって、まだかっちり役が定まっていたわけではなく、ディレクションをいただきながら一緒に作り上げていく感じだったんですけど、映像で改めて1話を見て、たきなってこういう感じだったんだ、周りからこう見えていたんだっていうのがはっきりと見えたんです。
冷たく見えるけど、決して人間らしくないわけではないというか。人間らしいからこその行動なんですよね。だから私も愛らしく思いました。収録から時間も経っているので、少し第三者目線で見えてきたところもあるんですけど、すごくかわいい、頑張ってほしいと思うような女の子でした。
千束は、人を幸せにするパワーがすごく大きくて、本当に良い人だなぁって思ったんです。自分のことならば、いろんなことができると思うんですけど、千束は人を幸せにするための努力ができる人なんですよね。たきなにとっては救世主的な存在で、新しい道を切り開いてくれた存在なんです。だから聖母みたいな感じ? そのくらい広い心を持ったお姉さんです。
安済:まぁ、スーパーリコリスなんでね(照)。
<次ページ:何度も見てくださいと言わなくても、何度も見たくなる作品!>
何度も見てくださいと言わなくても、何度も見たくなる作品!――アフレコが終わって、お互い印象変わりましたか?
安済:そんな変わってないなぁ。私の印象、変わった?
若山:ちょっと仲良くなれた気持ちはあります。
安済:確かに確かに。絆は深まった。
若山:でも、まだまだ仲良くなりたいです。やっぱりお姉さんで、いつも頼っちゃうんですけど、そのままの安済さんでいてほしいです。
安済:詩音ちゃんの一生懸命な姿を見ると、自分も初心を忘れないように!って気持ちになって、勝手に気が引き締まるんです。でも、本当に楽しかったんですよ。今日も会える!って思いながら現場に行っていましたから。そのノリでお芝居ができたので、私たちの絆が、掛け合いにも生かされていたと思います。
――掛け合いって、やる前に「ここどうやりますか?」とか話したりしないんですよね?
安済:もう出たとこ勝負です。テストで自分のものを出していくっていう。
若山:今までやってきた役に比べると、セリフの尺が短めで、ぱぱっとしゃべらないと入らないことが多かったんです。そこをどうしていこうかなって考えて持っていくんです。でも実際に安済さんと掛け合うと、こういうふうに来てくれたから、私はこう行こう!って定まったりする。だから私はいつも引っ張っていただいていたなって思います。
――テストと本番で、いきなり違うことをぶっこんできたりはしなかったですか?
安済:多分それはなかったかなぁ。
若山:ゼロではない気がするんですけど(笑)。
安済:うそっ! テストをやってみて「もっとやっていいですよ」と言われて、「はーい!」ってやったことはあると思うけど(笑)。
――時期的に、合間にお話はできたのですか?
安済:できました。テストをしたあと、制作の皆さんが長考に入ることもあったので、その間は話をしていました。オリジナル作品だから、これ、この先どうなるんだろうね?とか。
若山:毎回台本が気になってしまって、自分のセリフにマーカーを付ける前に、まずは全部読んでましたよね。
安済:確かに。ひとつの読み物として、1回バーって読んでた。
――あと、喫茶店が舞台ですから、何かできれば面白そうですよね。
安済:コラボカフェはしたいですよね。
――試験管みたいなものに入っている団子とか、すごく気になりました。
安済:あれは本当に食べたい! リハVを観たとき、あら、それ団子?って思ったし。でも、後々やっばいスイーツが出てくるんですよ(笑)。
若山:そうですね。でもあれは流行ってほしい!!(笑) コラボカフェでもいいし、期間限定でリコリコというカフェができてほしい。それが実現したら、遊びに行きたいなって思います。
――では最後に、放送を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
若山:第1話から最終話まで、本当に最高が続きまくる作品なので、1話を見たら絶対にハマっちゃうと思います! たきな的には、千束と関わって どう変化していくのかというところに注目していただけたら嬉しいなって思います。絶対に見てください!
――たきなの変化で言うと、まずは第3話が見どころですね!
安済:ホントに3話は良かったなぁ。あそこでの千束のセリフに共感したんですよ。この作品が視聴者へ何を伝えたいのかというところに感動して、その思いを千束として届けたいと思ったので、それができたところだなと思いました。いろんな方が熱と愛を込めた作品で、視聴者の皆さんに何かを伝えられることが嬉しいんです。
人生はひとりひとりにあるもので、かつ有限なものなので、その時間をちゃんと豊かにしていく。やりたいことを犠牲にして、やらなくてはいけないことに苦しむのではなく、ちゃんと両立して、みんなで人生を豊かにしていく。それって最高だなっていうことを、この作品を見て思ってくれたらいいなと本当に思っています。
でも単純に会話とかアクションが楽しいですし、いろんな所に楽しむポイントがあるので、何度も見てくださいと言わなくても、何度も見たくなる作品だと思います。最終話まで一緒に楽しんでいきましょう!
[文・塚越淳一 / 写真・MoA]